JAXAベンチャー認定企業のデータサイエンス・スタートアップスタジオの株式会社DATAFLUCT(本社:東京都千代⽥区、代表取締役:久⽶村隼⼈、以下「DATAFLUCT」)は、住み続けられるまちづくりを推進する、衛星データ解析*1を活用した自治体や民間企業向けの都市課題可視化サービス「DATAFLUT aline.」β版をリリースしました。
今回、業界初*となる、日本全国を最小250m四方に分割したグリッド単位で、年代ごとのスプロール(市街地拡散)進行度を可視化・特定する機能を搭載しました。人口誘致施策といった戦略的な都市計画の策定に用いて、急速な⼈⼝減少や⾼齢化、気候変動の時代に必要とされる「コンパクトシティ*2」などの推進につなげることが可能です。「DATAFLUCT aline.」β版はHP上で無料公開しておりますので、ぜひご活用ください。(https://aline.datafluct.com/

*…最小250m四方に分割されたグリット単位でスプロール進行度を可視化したのは業界初。当社調べ。

 

DATAFLUCT aline. 1975年-1990年(左)と2000年-2015年(右)のスプロール進行度の比較

 

■スプロールとは

都心部から郊外へ無秩序に宅地開発が進み、人口密度が低く都市基盤が整っていない「住みにくい」エリアが虫食い状態に広がる現象をスプロール(市街地拡散)といいます。一度スプロールが進行すると、農地など自然環境の荒廃やモータリゼーション化による環境への負荷、インフラなど都市の維持管理コストの増大などにつながるため、日本だけでなく世界的に問題となっている都市課題です。

 

■DATAFLUCTが解決したい課題

国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の目標11「住み続けられるまちづくりを」の実現へ向け、都市の持続的な成長のための開発と地球環境の持続性への配慮を両立させるために、これまで以上に戦略的に都市課題に取り組むことが求められています。国内では少子高齢化が深刻化する一方で、気象庁の発表によると、大気中の二酸化炭素濃度が2019年に過去最高値を記録するなど環境負荷の増大や、無秩序に都市が広がっていくスプロールの進行による都市の空洞化、空き家、耕作放棄地の問題といった、都市が抱える課題は多く顕在しています。

これらを解決するためには、都市計画において、PDCA(課題特定、施策実行、評価、改善)を継続的かつ効率的に回すことと、隣接する地域との連携強化が重要です。しかし、従来の都市データは更新頻度*3が低く、かつその解析には技術的なハードルや費用、労力の問題が存在します。また、都市計画の評価指標がないため、施策の効果測定がしにくく、実効性のある都市計画の策定は難しいとされています。

こうした現状に対し、DATAFLUCTは、衛星データや人流データ、 過去の災害履歴といった様々なデータをクラウド上に蓄積するデータレイク*4を構築します。更新頻度が高く、より詳細なグリッドデータを用いることで、都市課題を分析・モニタリングできる⾃治体や⺠間企業向けの都市課題可視化サービス「DATAFLUCT aline.」を開発し、住み続けられるまちづくりに貢献してまいります。

 

■「DATAFLUCT aline.」β版の特徴

衛星画像の解析データによる建築物床面積(Build-up Area)と人口データ*1を活用し、日本全国を最小250m四方に分割、そのグリッド毎にスプロールの進行度を示す指標(スプロールインデックス*)を算出することで、スプロール化が進行しているエリアを可視化します。スプロール進行度は、一般的に行政区や都市ごとに調査されますが、「DATAFLUCT aline.」スプロール版では、業界初として、時系列(1975年,1990年,2000年,2015年)ごとにスプロールが深刻化しているエリアを250m四方のグリット単位で特定できます。

*…スプロールインデックス

建築物床面積(Build-up Area)の成長率と人口(Population)の成長率を数値化した指標です。スプロールインデックスの数値が大きければ大きいほど、スプロールが進行していることを示し、人口増加以上のペースで建築物床面積が拡大していることを意味します。

 

■スプロール進行度を時系列(1975年、1990年、2000年、2015年)で追うことができます

 

■業界初 スプロール進行エリアを250m四方のグリット単位で特定できます

 

■衛星データ(Landsat)の活用により、建築物床面積の成長を時系列(1975年、1990年、2000年、2015年)で追うことができます

 

■スプロール進行の要因を人口と建築物床面積データにより把握できます

 

建築物の開発が進められてきたエリアを時系列(1975年、1990年、2000年、2015年)で追うことができます

 

■「DATAFLUCT aline.」に活用されている技術

「1GB近くあるデータを数10MB程度まで圧縮する技術」

「DATAFLUCT aline.」スプロール版では、最小250m四方に分割されたグリット単位でスプロール指数を算出しています。細かいグリッドデータを使用すると、必然的にデータ量が多くなり、快適にサービスを利用することが難しいため、バイナリベクトルタイルと呼ばれるデータ形式に変換することで、人口建造物スプロール指標データの高速な描画を実現しています。

■今後の展開

①都市計画を効果測定するデータサービスの構築(協賛自治体募集)

都市計画を効果測定するための指標となる以下のデータを解析・可視化します。

■衛星画像によって土地利用状況(建物・道路・畑など)を解析

■駅・施設・道路情報より特定エリアの中心地からのアクセシビリティを指標化

■アクセシビリティの指標によりグリット単位での人口シミュレーション

■モバイル空間統計*5を用いたリアルタイム(最短1時間更新)での人流の可視化


②二酸化炭素排出量のモニタリング(協賛自治体募集)

温室効果ガスを観測できる衛星データと地上のセンサーを用いることにより、特定エリアの二酸化炭素濃度を可視化し、一定期間における差分を検知するモニタリングサービスを開発します。二酸化炭素濃度をモニタリングすることで、環境負荷の軽減を⻑期的に評価することが可能です。

 

③管理放棄地の特定(協賛自治体募集)

地域のグリーンインフラを適切に保全することを目的としたサービスです。数年にわたる衛星画像の変化を解析することで、対象エリアの管理放棄地や、グリーンインフラを検出します。これにより、管理放棄地化の恐れがある該当エリアを早い段階で特定することができるので、グリーンインフラの保全対策に講じることができます。なお、DATAFLUCTは、自然環境が有する多様な機能を賢く利用するグリーンインフラの推進のため、多様な主体が幅広く参画・連携する「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」(https://gi-platform.com)の三号会員です。

 

④災害リスクおよび被害範囲予測(協賛自治体募集)

過去の災害履歴や天気情報を集約し、衛星データを用いることで、被害を受けたエリアの諸条件の特徴を解析。同条件の被害が及びうる地域を自動検出します。これにより、例えば氾濫や地滑り等の恐れがあるエリアの脆弱性を予測し、都市機能誘導区域と居住誘導区域等における安全な都市計画を行うことが可能です。

 

■パートナー企業募集中

現在「DATAFLUCT aline.」では、衛星データの利活用を通じた事業開発を行う共創パートナーを募集しております。本サービスとの連携に興味がおありの方は、以下よりご連絡ください。その他、ご要望やご相談なども受け付けております。お問い合わせは下記URLより、フォーマットへ入力してください。

https://datafluct.com/service/aline/

■DATAFLUCTとは

データとサイエンスの⼒で社会と事業の課題を解決するデータサイエンス・スタートアップスタジオです。あらゆる業界・業種の枠を超え、パートナーとの共創により複数のSaaSビジネスを素早く確⽴し、埋もれているデータから社会・経済・技術に⼤きなインパクトを与える、新たなビジネス価値を⽣み出します。2019年JAXAベンチャーにも認定されました。

 

■DATAFLUCT マテリアリティ(重要課題)

DATAFLUCTはデータとサイエンスの力で事業を通じて社会的課題を解決することを目指しています。
今回発表したDATAFLUCT aline.は、特に「
低炭素社会に向けた都市課題の解決」と「データによる自然環境の保全・監視」に資する事業です。

DATAFLUCT の 6つのマテリアリティ

1.衛星データ活用をすべての産業に

すべての事業

2.持続可能なサプライチェーンの実現

DATAFLUCT foodloss.
DATAFLUCT agri.

3.低炭素社会に向けた都市課題の解決

DATAFLUCT aline.
DATAFLUCT mobility.

4.データによる自然環境の保全・監視

DATAFLUCT discovery.
DATAFLUCT forest.(mamori)
DATAFLUCT aline.

5.サービス業の「はたらく」を魅力的に

DATAFLUCT intelligent.
DATAFLUCT marketing.

6.経済活動における情報格差の解消

DATAFLUCT financial.

 

*1本サービスに利用されているデータはGlobal Human Settlement Layerにより提供される衛星データ・グラフィック・人口データを加工して作成。

 

*2…コンパクトシティ

住宅や公共施設、医療施設、商業施設などが一定の範囲内に集約されている都市。インフラや行政サービスのコスト削減につながるだけでなく、基本的に自動車を使わない範囲内での生活を想定しているので、利便性の向上や行政サービスの充実、環境問題の解決なども期待できる。高度経済成⻑期、都心部から郊外へ無秩序、無計画な都市開発が行われ、郊外に虫食い状に宅地が点在するスプロール化現象が進んできた。国は、コンパクトシティを広げるため、全国の自治体に立地適正化計画を定めるよう促している。

 

*3…都市データの更新頻度

全国民が対象となるリッチな統計調査ではあるが、更新頻度が5年に1回かつ詳細なデータではないのが課題。

比較対象 調査時間軸 エリアの詳細さ データの連続性 把握可能な属性 サンプルサイズ
土地利用調査/国勢調査

(人口)

×

(5年に1回)

(町丁目レベル/500mメッシュ有)

×

(5年に1回)

(性別、年代、職業、家族・居住状況など)

(全国民)

 

*4データレイク複数ソースより収集したビッグデータを元のまま保存できる一元化されたリポジトリ(保管場所)。効率的に、データのインプット・アウトプットが可能。データレイク複数ソースより収集したビッグデータを元のまま保存できる一元化されたリポジトリ(保管場所)。効率的に、データのインプット・アウトプットが可能。

 

*5ドコモ・インサイトマーケティングが提供するサービス「モバイル空間統計®︎」(https://mobaku.jp)