2023.03.22

オルビスと機械学習による梱包サイズ最適化の実証実験を開始

データサイエンスで企業と社会の課題を解決する株式会社DATAFLUCT(本社所在地:東京都渋谷区、代表取締役CEO:久米村 隼人、以下「DATAFLUCT」)は、オルビス株式会社(本社所在地:東京都品川区、代表取締役社長:小林 琢磨、以下オルビス)と、機械学習でEC発送時の梱包サイズを最小化し、配送コスト削減を目指す実証実験を実施します。

本システムは当社の機械学習サービス「Perswell」とデータプラットフォーム「AirLake」を組み合わせ、オルビスの商品データ・出荷データ・梱包材の価格データをもとに機械学習で最適な梱包材のサイズを算出します。商品が破損しない範囲で梱包を最小サイズにし、配送コストの削減を目指します。

実証実験開始前の効果検証では、1ヶ月分のデータをもとにシミュレーションをおこない、本システムの導入で最大で年間2,000万円程度の配送費削減の可能性があるとの結果を得ました。今後は物流現場で分析結果を活用する実地検証を始め、2023年中の本番導入を目指します。

機械学習で最適な梱包サイズを判定 配送コストを削減し、物流費高騰の中でもECを拡大したい

ライフスタイルの変化などからEC市場が拡大する一方で、エネルギー価格や原材料の上昇、労働力減少により、配送コストは今後も高騰が見込まれています。オルビスは通販向け出荷ラインにAGV(無人搬送ロボット)、そして直営店舗・BtoB向け出荷ラインに重量計を搭載した最新のAMR(自律走行搬送ロボット)を導入するなど、テクノロジーの積極活用によって物流システムの自動化、省人化を促進し、環境負荷と物流現場の負担を軽減するとともに、物流基盤を持続可能な形で強化してきました。

さらなる効率化を目指す中で、実現可能性があるとして着目したのが「梱包のダウンサイジング」です。同社では、商品サイズから梱包サイズを決定するシステムを使用しており、必要なサイズよりも大きな梱包材を使い余分な配送費が発生するケースがありました。

今回の取り組みでは、注文情報をもとに、商品の詰め方を考慮した機械学習モデルで最適な梱包サイズを判定し、物流現場と連携します。自動で効率的な梱包ができ、配送コストの削減が可能です。実証実験開始前の効果検証では、1ヶ月分のデータをもとにシミュレーションを実施し、最大で年間2,000万円程の配送費削減が可能との結果を得ました。

今後の展開

今後は物流現場で分析結果を活用する実地検証を始め、2023年中の本番導入を目指します。将来的には、新たな配送方法への対応や、グループ共通の新たな梱包規格や梱包資材を作ることも検討し、より効率的な配送を目指します。

参考情報「Perswell」について


「Perswell」サービスサイト: https://lp.perswell.ai/

「Perswell」は、社内にデータサイエンティストがいなくても、高精度の需要予測モデルを利用でき、作業工数の削減や、予測精度の改善によって欠品・余剰・在庫回転率および配送計画を改善できるサービスです。様々な外部データを活用できる最新の機械学習アルゴリズムを手法に採用することで、従来の「古典統計」では不可能だった外部要因を考慮した高精度の予測を実現しました。

現在は卸売業を中心に、需要予測と外部データを活用した「廃棄・廉価販売の削減」「調達輸送の最適化」「配送計画および配送ルートの最適化」などに活用いただいています。また、製造業における「調達の欠品・納期遅延予測」にも対応し、サプライチェーンリスクマネジメントにもお役立ていただけるサービスとなりました。今後も、より多くの業界・シーンで活用できる未来予測ソリューションを目指します。