【アズビル/設備管理AIエージェント事例】「建物のAI自律化」へ。アズビルがDATAFLUCT「Airlake」と挑む、設備管理のAIエージェント化

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【アズビル/設備管理AIエージェント事例】「建物のAI自律化」へ。アズビルがDATAFLUCT「Airlake」と挑む、設備管理のAIエージェント化

110年以上にわたり計測と制御で社会を支えてきたアズビル株式会社様。同社は、熟練者の「匠の技」をAIで形式知化し、省エネ分析・警報対応・問い合わせ対応といった現場業務をAIエージェントで支援する取り組みを、DATAFLUCTの「Airlake」シリーズとともに進めています。本記事では、その背景と成果、人とAIによるオートメーションの可能性を、アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 開発本部 クラウド開発1部 小澤様に伺いました。

■事例サマリー

企業

アズビル株式会社(総合オートメーションメーカー/1906年創業)

テーマ

熟練者の「匠の技」を AI で形式知化し、設備管理の対応品質の均一化と技術伝承を実現する。人手不足が進む現場を、AI エージェントの支援で「誰もが力を発揮できる環境」へ。

ソリューション

DATAFLUCT「Airlake Copilot Agents」「Airlake AI Agents」

取り組み

「建物の AI 自律化」を将来像に、①省エネ分析 AI エージェント ②警報 DX ③ 問合せ・不具合対応 AI エージェント の 3 プロジェクトを並行して開発・実証。

人手不足と技術伝承の壁を生成AIで越える。アズビルが「今」AI検証に挑む理由

―今回のプロジェクトが始動した理由をお聞かせください。

小澤様:
ビル業界では、設備管理を支える熟練者の知見や判断ノウハウが重要である一方、人手不足や技術伝承の難しさが中長期的な課題となっています。また、建物から得られる多様なデータを活用し、設備管理の品質向上や新たなサービス創出につなげていくことが、今後のクラウドサービスの進化において重要だと考えています。

こうした背景から、建物データを活用した新たなサービスの方向性を検証し、生成AIを用いたデータ活用ツールの開発を進めるため、2024年1月よりDATAFLUCT社とのプロジェクトを開始しました。

本プロジェクトでは、建物データを活用した省エネ分析に加え、熟練者が培ってきた判断ノウハウをAIで形式知化し、設備異常時の原因推定や対応支援に活用することを目指しています。スタートアップならではのスピード感や柔軟な発想を取り入れながら、現場負担の軽減と、経験の差に左右されにくい設備管理の実現につなげていきたいと考えています。

目指すのは「建物のAI自律化」。3つのプロジェクトが並走

スマートビルディングEXPO 2025で展示された「省エネ分析AIエージェント」デモの一部

アズビル×DATAFLUCTの取り組みは、将来的な「建物のAI自律化」という目標のもと、複数のプロジェクトが並行して進んでいます。いずれも、図面・機器台帳・点検データ・運転データ・トラブル履歴といったあらゆるデータを電子化し、AIが活用できる形で残していくことを土台としています。

省エネ分析プロジェクト:建物データをもとに空調・熱源などの省エネ余地をAIが分析・提案

警報DX プロジェクト:設備の警報対応のデジタル化

問合せ・不具合対応プロジェクト:問い合わせや不具合への対応を支援するAIエージェント

「省エネ分析AIエージェント」と「警報DX」の2つのプロジェクトで採用されているのは、社内ナレッジとデータ基盤に接続し、複数の専門AIが観点を分担して成果物まで仕上げる業務支援プラットフォーム「Airlake Copilot Agents」。「問い合わせ・不具合対応プロジェクト」では、抽象的なゴールに対してAIが自らタスクを分解し、複数の専門エージェントがチームとして連携して業務を完遂する「Airlake AI Agents」が使われています。

いずれも、散在する社内データから「事実」と「文脈」を抽出し、熟練者の判断基準をAIが継承することで、技能承継が課題となる現場でもブレのない意思決定の再現を支えるAIエージェントサービスです。

―各プロジェクトの狙いや「建物のAI自律化」という将来像について具体的にお教えください。

小澤様:
各プロジェクトでは、ビル運用・設備管理の現場で蓄積されてきた知見を、データとAIによって活用可能な形に整理し、現場業務を支援する仕組みづくりを進めています。設備データ、警報履歴、保全履歴、図面、マニュアルなどを組み合わせることで、これまで経験に依存していた判断や対応をAIが支援できるかを検証しています。

DATAFLUCT社とのプロジェクトでは、生成AIを活用したデータ活用ツールの開発に取り組んでおり、設備異常時の原因候補の提示や対応手順の参照、関連情報の検索など、現場の周辺業務をAIエージェントが支援するユースケースを検討しています。

アズビルでは、将来像として、建物のAI自律化を考えています。具体的には、まず人の判断をAIが支援する段階から始まり、段階的に分析・提案・制御支援へと高度化していくものと考えています。オンプレミスとクラウドを適切に組み合わせながら、最終的には建物自身が状態を把握し、より最適な運用に近づいていく世界を目指しています。

複雑な設備データを自然言語で引き出す。「Airlake」を選んだ決め手

―多数のツールがある中で、今回の技術検証のパートナーとしてDATAFLUCTおよび「Airlake」を選んだ決め手は何でしたか?

小澤様:
1つ目は、ビル設備に関する多様で複雑なデータを、現場で活用しやすい形に整理・検索・分析できる技術力です。設備データには、時系列データ、警報・故障履歴、点検記録、作業報告、図面、マニュアルなど、形式の異なる情報が多く含まれています。また、熟練者のノウハウも暗黙知として分散しています。

Airlakeにより、これらの情報を横断的に扱い、自然言語で必要な情報にアクセスできる点は、設備管理の高度化を進めるうえで有効だと感じました。さらに、現場特有の情報に基づいて、回答の根拠を示せる点は、現場で安心して利用できるAIエージェントを実現するうえで重要だと考えています。

2つ目は、DATAFLUCT社が技術検証にとどまらず、サービス化・事業化を見据えて伴走いただける点です。当社が目指す建物のAI自律化では、建物データを蓄積・活用し、AI、デジタルツイン、データビジネスへ展開していくことを重視しています。データサイエンスと生成AIの知見を持ち、アジャイルに仮説検証を進められるDATAFLUCT社は、当社の構想と親和性が高いと感じました。

―技術検証を経て、どのような手応えがありましたか?

小澤様:
これまでの技術検証では、ビル設備データや図面、対応履歴などを生成AIで扱うことで、熟練者の判断やノウハウを形式知化し、保守・設備管理業務の支援につなげられる可能性を確認できました。

また、建物データを活用した省エネ分析についても、運用改善やサービス化に向けた可能性を確認しています。 特に、個別ユースケースの具体化やデモを通じて、AIエージェントの使い方を現場業務に重ねてイメージできました。社内からは「現在の活動や今後の活用ポイントが理解できた」「幅広い業務で使えそう」といった前向きな反応が多くありました。

今後は、アーキテクチャや技術的特徴など実装面の共有も充実させ、より具体的な業務適用に向けた検討を深めていきたいと考えています。

―今後の展望や期待をお聞かせください。

小澤様:
今後は、これまで検証してきたAIによる知見活用の可能性を、保守・設備管理業務で実際に使えるレベルへ高めていきたいと考えています。具体的には、現場データや業務プロセスとの接続、回答品質、安全性、運用性の検証を進め、AIエージェントが一定水準の対応を行える仕組みを目指します。

また、Airlakeを当社が構想するクラウド基盤やデータ活用環境と連携させ、単なる検証ツールにとどめず、データ活用、サービス開発、将来の自律化を支える基盤の一部として活用していきたいと考えています。

技術検証を通じて、現場で本当に使えるAI活用のあり方を見極めながら、実業務への適用とサービス化の可能性を具体化していくことを期待しています。

「監視」から「予測・最適運用」へ。人とAIの協働が拓くビル設備管理の未来

―人とAIの協働がもたらす未来、オートメーションの可能性についてお聞かせください。

小澤様:
AIの導入により、ビル業界は「設備を監視・管理する」業務から、データを活用して「状態を予測し、より最適に運用する」業務へと変化していくと考えています。これにより、異常の早期発見、省エネ運用、保全業務の効率化など、設備管理の価値を高めることが可能になります。

当社にとっても、機器やシステムを提供するだけでなく、蓄積した建物データや運用ノウハウを活かしたサービス提供がより重要になると考えています。AIを活用することで、従来は個人の経験に依存していた判断を支援し、より再現性のあるサービスとして提供できる可能性があります。

人とAIの役割分担としては、AIが異常兆候の検知、原因候補の提示、対応手順の支援、関連情報の検索などを担い、人は最終判断、現場対応、改善提案、顧客とのコミュニケーションに注力する形が現実的です。こうした人とAIの協調により、人手不足の中でも対応品質を維持・向上し、将来的な自律化にもつなげていきたいと考えています。

現場の力を引き出すことから始める。AI・DXに挑む企業へのアドバイス

―最後に、DXを目指す企業様へメッセージをお願いします。

小澤様:
DXやAI活用で大切なのは、技術そのものを導入することではなく、現場の力を引き出し、業務の価値を高めることだと考えています。特に、熟練者の知見や判断ノウハウをAIで活用可能な形にすることは、経験の浅い人でも適切な判断や対応をしやすくし、人手不足の現場を支える大きな力になります。

一方で、AI活用は一度に大きく変えるのではなく、現場で実際に困っている業務から小さく始め、効果を確認しながら育てていくことが重要です。既存の仕組みや現場の信頼を大切にしながら、外部パートナーとの共創も取り入れることで、より実用的な価値につながると考えています。

同じ課題を持つ企業の皆さまとともに、人とAIが協調し、誰もが力を発揮できる現場づくりを進めていければと思います。


DATAFLUCTの「Airlake」について

「建物の AI 自律化」という壮大なビジョンに向け、熟練者の匠の技をデータと AI で受け継ごうと歩み続けるアズビル様。DATAFLUCT の「Airlake」は、お客様のデータ状況やビジネス戦略に合わせ、構想・PoC から本番実装にいたるまで、フルスタックのテクノロジーパートナーとして伴走支援します。

図面・点検記録・警報履歴・マニュアルといった多様な「非構造化データ」を資産化したい、「現場の暗黙知を AI で形式知化したい」「データを活かして設備管理・保全業務を高度化したい」とお考えの企業様は、まずは実際の画面や他社事例をご覧いただけるオンライン相談会へお気軽にお申し込みください。

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